会長あいさつ                

日本交通学会会長

 このたび中条潮前会長のあとを受けて,日本交通学会会長を務めることになりました。副会長,常務理事をはじめとした諸役員,編集委員会,そして会員の皆さまと協働しつつ,微力ながら学会の発展のために全力を尽くすつもりですので,どうぞよろしくお願いいたします。

 本学会は,会則の第2条に掲げていますように,交通の学術的研究を促進し、交通に関する知識を普及し、交通の健全な発達に資することを目的とし,これまで多方面にわたる活発な活動を行ってきました。その英語名がJapan Society of Transport(ation) Economicsとなっているように,主体となるアプローチは経済学(経営学,商学もここに含めた方がよいかもしれません)です。

 本学会の前身となる,財団法人東亜交通学会が発足したのは1941年12月ですので,2016年には創立75周年を迎えます。この創立時期は日本の経済関係の学会なかでも早いものです。2011年には学会創立70周年記念事業の一環として,学会の総力を結集して,『交通経済ハンドブック』(白桃書房)を発刊しました。その編集方針の第一として掲げたのが,「交通経済学の理論と交通政策という実践を連接する知を構築する」でした。このことにも象徴されるように,ともすれば研究者が陥りがちとされる抽象的非現実性にとどまらないことは,われわれにとって非常に大切です。実践科学として自己を主張するためにも,実態をよく捉え,実社会との対話をさらにすすめ,時にフィールドで行動することも心がけるべきではないかと考えています。

 ところで,交通に対する研究アプローチとしては,広い意味での経済学以外にも,たとえば土木計画学,交通工学,都市工学,地理学,社会学など多様です。海外の関連学会等においても,その守備範囲がさらに広いケースが少なくありません。当学会にも,とくに近年,土木計画学をはじめとした隣接分野をバックグラウンドとする研究者・実務者にも,数多く参加していただくようになり,その議論の幅と深さに厚みを増してきています。個々の研究者による研究の追求を基本に据え,様々な意見,学問分野が出会い,融合していくことによって新たな「知」が生み出されていく,そのような場として学会がいっそう機能するよう心がけていく所存です。

 交通問題に関心を寄せ,その学術的研究,そして交通の発展に貢献することをめざす皆様方の,積極的な参加をお待ちしております。

正司 健一

 

日本交通学会とは

 日本交通学会は、「交通の学術的研究を促進し、交通に関する知識を普及し、交通の健全な発展に資する」(日本交通学会会則)ことを目的として、鉄道、道路、航空、海運などの交通政策の課題について交通経済学を中心として研究する学会です。

 この目的を達成するために、総合交通政策、都市と交通、地域交通、運賃論、民営化・規制緩和、環境問題など多岐にわたる研究を研究報告会、部会、講演会などで報告するとともに、学会機関誌(交通学研究)、図書などを発行するなど、研究の助成その他の必要な事業を行っています。

 会員は、交通経済学に関心のある研究者、交通工学の専門家・研究機関をはじめ、官庁や事業者など約530から構成されています。

 また、今日のグローバリゼーションの中、当学会は、ドイツ交通学会、韓国交通学会などと密接に相互に国際学術交流並びに文化交流を過去数回開催するなど、国際的な交通経済学の世界で、高い評価を得ています。

 日本交通学会は、社会・経済を支えるよりよき交通政策のために、交通政策に関心を持つすべての方々に会員への道を開いています。

 

沿革

1941年12月8日 東亜交通学会創立総会開催
小川郷太郎(鉄道大臣)、村田省蔵(逓信大臣)の共同出損により
財団法人「東亜交通学会」発足
1942年 第1回研究報告会開催(以後第10回まで学会主催)
1944年 戦争激化のため研究報告会一時中断
1945年 空襲により学会事務局焼失
1946年 新たに創設された運輸調査局に財団法人格を譲り、任意団体「日本交通学会」と改称して再発足
1947年 研究報告会復活(第7回)
1952年 第11回研究報告会から、大学等の持ち回りによる主催
1954年 関東、関西部会設立
1957年 第16回研究報告会から、研究年報 『交通学研究』刊行
1959年 第18回研究報告会から、研究報告会運営方法を変更
−〈統一論題〉と〈自由論題〉に分けて報告−
1970年 旧西ドイツの交通学会と国際学術交流をめざして交流の契約締結
1974年 年次大会を兼ねて国際会議開催(ハンブルク)
1977年 日独交通政策シンポジウム開催(東京)
1982年 旧東ドイツ交通学会主催による国際会議開催(ドレスデン)
1991年 韓国交通学会と学術交流の提携
2001年 創立60周年記念国際シンポジウム開催(大阪)
2006年 日韓国際交流シンポジウム開催(大阪)
2007年 『交通学研究創刊50号記念』装丁版発行
2008年 第67回研究報告会から、研究報告会運営方法を変更
−〈統一論題〉と〈自由論題〉の区分を廃止し、報告・投稿論文はすべて
〈研究論文〉とする−
2011年 日本交通学会創立70周年記念国際シンポジウム開催(神戸)
『交通経済ハンドブック』刊行

 

会則


 

会員数

(2014年4月1日現在)
正会員 459名
学生会員 5名
特別会員 30団体

 

役員


 

歴代会長

1941年(昭和16年)〜
1973年(昭和48年)
島 田 孝 一
1973年(昭和48年)〜
1979年(昭和54年)
麻 生 平八郎
1979年(昭和54年)〜
1983年(昭和58年)
今 野 源八郎
1983年(昭和58年)〜
1987年(昭和62年)
増 井 健 一
1987年(昭和62年)〜
1991年(平成3年)
廣 岡 治 哉
1991年(平成3年)〜
1995年(平成7年)
岡 野 行 秀
1995年(平成7年)〜
1999年(平成11年)
藤 井 彌太郎
1999年(平成11年)〜
2001年(平成13年)
山 田 浩 之
2001年(平成13年)〜
2003年(平成15年)
杉 山 雅 洋
2003年(平成15年)〜
2005年(平成17年)
斎 藤 峻 彦
2005年(平成17年)〜
2007年(平成19年)
杉 山 武 彦
2007年(平成19年)〜
2011年(平成23年)
宮 下 國 生
2011年(平成23年)〜
2013年(平成25年)
塩 見 英 治
2013年(平成25年)〜
2015年(平成27年)
中 条   潮
2015年(平成27年)〜
正 司 健 一

 

名誉会員

1970年(昭和45年)以前より** 小島 昌太郎*
1974年(昭和49年)〜 島田 孝一*
1985年(昭和60年)〜 伊坂 市助*/今野 源八郎*/高橋 秀雄*/富永 祐治*
1989年(平成元年)〜 麻生 平八郎*/佐竹 義昌*/前田 義信*/増井 健一*
1992年(平成4年)〜 角本 良平*
1998年(平成10年)〜 佐々木 誠治*/秋山 一郎*/廣岡 治哉*
2003年(平成15年)〜 武田 文夫/中西 健一*/榊原 胖夫*/岡野 行秀*/岡田 清/五十嵐日出夫*/田原 榮一
2005年(平成17年)〜 藤井 彌太郎*/丸茂 新
2007年(平成19年)〜 山田 浩之
*印:物故された名誉会員 **印:記録喪失のため年次不明

 

特別会員

(2014年4月1日現在)
(一財)運輸政策研究機構 (一財)運輸調査局
(株)ANA総合研究所 九州旅客鉄道(株)
近畿日本鉄道(株) 京阪電気鉄道(株)
(公財)高速道路調査会 (株)交通新聞社
交通政策調査研究所 (財)交通統計研究所
首都高速道路(株) 成山堂書店
全日本交通運輸産業労働組合協議会 東海旅客鉄道(株)
東京急行電鉄(株) 東京地下鉄(株)
東武鉄道(株) 中日本高速道路(株)
南海電気鉄道(株) 西日本高速道路(株)
西日本旅客鉄道(株) (株)日通総合研究所
日本貨物鉄道(株) (株)日本航空
(一社)日本交通協会 阪神高速道路(株)
阪神電気鉄道(株) 東日本高速道路(株)
東日本旅客鉄道(株) 北海道旅客鉄道(株)

 

70周年記念

 2011年、日本交通学会は前身である東亜交通学会が1941年に創立以来、創立70年を迎えました。

 日本交通学会は、創立70周年の記念事業として、以下の二つの事業を企画し、実施しました。

1.『国際シンポジウム』の開催

 2011年10月15日、神戸大学出光佐三記念六甲台講堂において、「持続可能社会における交通政策」をテーマとして、日米欧を代表する先生方(ケネス・バトン米ジョージ・メイソン大学教授、クリス・ナッシュ英リーズ大学教授、山内弘隆一橋大学教授)からの報告および正司健一神戸大学副学長をモデレーターとして同3教授によるパネルディスカッションを開催しました。

 詳細は、『交通学研究』2011年研究年報に掲載予定です(2012年3月刊行予定)。

2.『交通経済ハンドブック』の刊行

 日本交通学会の総力をあげて、交通の基礎理論から、その機能、政策はもちろん、環境、安全・防災対策まで、現代の社会経済活動に現れる交通事象を体系的かつ論理的に論じたハンドブックを編纂し、白桃書房より刊行いたしました。

 詳細は、『交通経済ハンドブック』購入のご案内 をご参照下さい。

 

60周年記念

 2001年、日本交通学会は前身である東亜交通学会が1941年に創立以来、創立60年を迎えました。

 当学会の60周年記念事業の趣旨に、多くの方々や機関から多大なご支援、ご賛同をいただき、日本交通学会は、創立60周年の記念事業として、以下の二つの事業を企画し、実施しました。

1.『国際シンポジウム』の開催

 日本交通学会第60回研究報告会において、「規制改革と交通政策」を大会統一論題のテーマとして、このテーマを国際的視野の下で取り組むために、世界の交通学会の第一線で活躍している国内外の学者の先生方(K.A.Snall カリフォルニア大学教授、J.Preston オックスフォード大学・交通研究所所長、T.H.Oum ブリテッシュ・コロンビア大学教授、金本良嗣 東京大学大学院教授)のご協力を得て、国際シンポジウムを開催しました。

 詳細は、『交通学研究』2001年研究年報をご参照下さい。

2.小冊子『日本交通学会60年の歩み』の刊行

 学会の歴史経過を示す記録誌として、先輩諸氏が苦心して作成された『50年の歩み』の一部の資料を活用し、前会長である増井先生による詳細な回顧記録、廣岡先生に対する50周年を記念してなされたインタビューの記録に加え、これに新たに、創立時の経過を語る『研究年報』に掲載された座談会の記録を収録した『日本交通学会60年の歩み』を刊行しました。

 詳細は、日本交通学会60周年記念小冊子をご参照下さい。

 

日本交通学会創立60周年記念小冊子