会長あいさつ                

日本交通学会会長

 交通分野でのイノベーションは日々急速に進んでいます。新技術と聞けば、交通系ICカードや自動運転車などを思い浮かべる方が多いと思いますが、社会経済の制約のもとで技術開発を活かし、人や貨物の移動をより効率的でスムーズなものに変えていくことが重要です。

 たとえば、大都市の通勤鉄道の混雑を緩和するために、新しい料金収受技術を活用して運賃設定をきめ細かくできないか。自動運転バスをどのような路線で活用すれば住みよい都市構造となるのか。新技術を使って具体的な交通問題を解決するまでに、たくさんの課題があります。このような現実の交通問題の解決にむけて、多様な視点からアカデミックな議論を展開することが本学会のビジネスミッションです。

 日本交通学会は、その前身が1941年に始まる歴史のある学会です。本学会の会員は経済学、経営学、商学に軸足を置く研究者が中心ですが、近年は社会経済の動きを反映して、工学、とくに交通計画を専攻する研究者が増えています。法学、地理学の研究者も参加しています。また、行政やコンサルタント会社等に所属し、国内外の実態に詳しい会員が多いということも本学会の特徴です。いろいろな立場で交通を研究している方々に入会していただき、社会が直面する交通問題について活発な議論を戦わせる場にしたいと考えています。

 2019年10月に私は日本交通学会会長を拝命いたしました。私自身は商学分野の出身ですが、工学系の学部で教鞭をとっています。学際的な研究スタンス、とくに経済学・商学と工学の連携は、要請が高まる一方で、それが難しいことも教育の現場で実感してきました。学会活動を通じて、会員の皆さんと一緒に新しい道を切り開いていくことができればと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

寺田 一薫

 

日本交通学会とは

 日本交通学会は、「交通の学術的研究を促進し、交通に関する知識を普及し、交通の健全な発展に資する」(日本交通学会会則)ことを目的として、鉄道、道路、航空、海運などの交通政策の課題について交通経済学を中心として研究する学会です。

 この目的を達成するために、総合交通政策、都市と交通、地域交通、運賃論、民営化・規制緩和、環境問題など多岐にわたる研究を研究報告会、部会、講演会などで報告するとともに、学会機関誌(交通学研究)、図書などを発行するなど、研究の助成その他の必要な事業を行っています。

 会員は、交通経済学に関心のある研究者、交通工学の専門家・研究機関をはじめ、官庁や事業者など約530から構成されています。

 また、今日のグローバリゼーションの中、当学会は、ドイツ交通学会、韓国交通学会などと密接に相互に国際学術交流並びに文化交流を過去数回開催するなど、国際的な交通経済学の世界で、高い評価を得ています。

 日本交通学会は、社会・経済を支えるよりよき交通政策のために、交通政策に関心を持つすべての方々に会員への道を開いています。

 

沿革

1941年12月8日 東亜交通学会創立総会開催
小川郷太郎(鉄道大臣)、村田省蔵(逓信大臣)の共同出損により
財団法人「東亜交通学会」発足
1942年 第1回研究報告会開催(以後第10回まで学会主催)
1944年 戦争激化のため研究報告会一時中断
1945年 空襲により学会事務局焼失
1946年 新たに創設された運輸調査局に財団法人格を譲り、任意団体「日本交通学会」と改称して再発足
1947年 研究報告会復活(第6回)
1952年 第11回研究報告会から、大学等の持ち回りによる主催
1954年 関東、関西部会設立
1957年 第16回研究報告会から、研究年報 『交通学研究』刊行
1959年 第18回研究報告会から、研究報告会運営方法を変更
-〈統一論題〉と〈自由論題〉に分けて報告-
1970年 旧西ドイツの交通学会と国際学術交流をめざして交流の契約締結
1974年 年次大会を兼ねて国際会議開催(ハンブルク)
1977年 日独交通政策シンポジウム開催(東京)
1982年 旧東ドイツ交通学会主催による国際会議開催(ドレスデン)
1991年 韓国交通学会と学術交流の提携
2001年 創立60周年記念国際シンポジウム開催(大阪)
2006年 日韓国際交流シンポジウム開催(大阪)
2007年 『交通学研究創刊50号記念』装丁版発行
2008年 第67回研究報告会から、研究報告会運営方法を変更
-〈統一論題〉と〈自由論題〉の区分を廃止し、報告・投稿論文はすべて
〈研究論文〉とする-
2011年 日本交通学会創立70周年記念国際シンポジウム開催(神戸)
『交通経済ハンドブック』刊行

 

会則


 

会員数

(2021年7月現在)
正会員 438名 (名誉会員9名を含む)
学生会員 4名
特別会員 31団体

 

役員


 

歴代会長

1941年(昭和16年)~
1973年(昭和48年)
島 田 孝 一
1973年(昭和48年)~
1979年(昭和54年)
麻 生 平八郎
1979年(昭和54年)~
1983年(昭和58年)
今 野 源八郎
1983年(昭和58年)~
1987年(昭和62年)
増 井 健 一
1987年(昭和62年)~
1991年(平成3年)
廣 岡 治 哉
1991年(平成3年)~
1995年(平成7年)
岡 野 行 秀
1995年(平成7年)~
1999年(平成11年)
藤 井 彌太郎
1999年(平成11年)~
2001年(平成13年)
山 田 浩 之
2001年(平成13年)~
2003年(平成15年)
杉 山 雅 洋
2003年(平成15年)~
2005年(平成17年)
斎 藤 峻 彦
2005年(平成17年)~
2007年(平成19年)
杉 山 武 彦
2007年(平成19年)~
2011年(平成23年)
宮 下 國 生
2011年(平成23年)~
2013年(平成25年)
塩 見 英 治
2013年(平成25年)~
2015年(平成27年)
中 条   潮
2015年(平成27年)~
2017年(平成29年)
正 司 健 一
2017年(平成29年)~
2019年(令和元年)
山 内 弘 隆
2019年(令和元年)~ 寺 田 一 薫

 

名誉会員

1970年(昭和45年)以前より** 小島 昌太郎*
1974年(昭和49年)~ 島田 孝一*
1985年(昭和60年)~ 伊坂 市助*/今野 源八郎*/高橋 秀雄*/富永 祐治*
1989年(平成元年)~ 麻生 平八郎*/佐竹 義昌*/前田 義信*/増井 健一*
1992年(平成4年)~ 角本 良平*
1998年(平成10年)~ 佐々木 誠治*/秋山 一郎*/廣岡 治哉*
2003年(平成15年)~ 武田 文夫*/中西 健一*/榊原 胖夫*/岡野 行秀*/岡田 清/五十嵐日出夫*/田原 榮一
2005年(平成17年)~ 藤井 彌太郎*/丸茂 新
2007年(平成19年)~ 山田 浩之
2016年(平成28年)~ 斎藤 峻彦*/杉山 武彦/杉山 雅洋/宮下 國生
2017年(平成29年)~ 塩見 英治
2021年(令和3年)~ 中条 潮
*印:物故された名誉会員 **印:記録喪失のため年次不明

 

特別会員

一般財団法人運輸総合研究所 株式会社ANA総合研究所
近畿日本鉄道株式会社 京阪電気鉄道株式会社
株式会社現代文化研究所 公益財団法人高速道路調査会
一般財団法人交通経済研究所 株式会社交通新聞社
一般財団法人交通統計研究所 四国旅客鉄道株式会社
自治労 総合組織局 都市交通評議会 首都高速道路株式会社
EY新日本有限責任監査法人 スカイマーク株式会社
株式会社成山堂書店 全日本交通運輸産業労働組合協議会
東海旅客鉄道株式会社 東急電鉄株式会社
東京地下鉄株式会社 東武鉄道株式会社
中日本高速道路株式会社 西日本高速道路株式会社
西日本旅客鉄道株式会社 株式会社日通総合研究所
日本貨物鉄道株式会社 日本航空株式会社
一般社団法人日本交通協会 阪神高速道路株式会社
東日本高速道路株式会社 東日本旅客鉄道株式会社
北海道旅客鉄道株式会社

 

70周年記念

 2011年、日本交通学会は前身である東亜交通学会が1941年に創立以来、創立70年を迎えました。

 日本交通学会は、創立70周年の記念事業として、以下の二つの事業を企画し、実施しました。

1.『国際シンポジウム』の開催

 2011年10月15日、神戸大学出光佐三記念六甲台講堂において、「持続可能社会における交通政策」をテーマとして、日米欧を代表する先生方(ケネス・バトン米ジョージ・メイソン大学教授、クリス・ナッシュ英リーズ大学教授、山内弘隆一橋大学教授)からの報告および正司健一神戸大学副学長をモデレーターとして同3教授によるパネルディスカッションを開催しました。

 詳細は、『交通学研究』2011年研究年報に掲載予定です(2012年3月刊行予定)。

2.『交通経済ハンドブック』の刊行

 日本交通学会の総力をあげて、交通の基礎理論から、その機能、政策はもちろん、環境、安全・防災対策まで、現代の社会経済活動に現れる交通事象を体系的かつ論理的に論じたハンドブックを編纂し、白桃書房より刊行いたしました。

 詳細は、『交通経済ハンドブック』購入のご案内 をご参照下さい。

 

60周年記念

 2001年、日本交通学会は前身である東亜交通学会が1941年に創立以来、創立60年を迎えました。

 当学会の60周年記念事業の趣旨に、多くの方々や機関から多大なご支援、ご賛同をいただき、日本交通学会は、創立60周年の記念事業として、以下の二つの事業を企画し、実施しました。

1.『国際シンポジウム』の開催

 日本交通学会第60回研究報告会において、「規制改革と交通政策」を大会統一論題のテーマとして、このテーマを国際的視野の下で取り組むために、世界の交通学会の第一線で活躍している国内外の学者の先生方(K.A.Snall カリフォルニア大学教授、J.Preston オックスフォード大学・交通研究所所長、T.H.Oum ブリテッシュ・コロンビア大学教授、金本良嗣 東京大学大学院教授)のご協力を得て、国際シンポジウムを開催しました。

 詳細は、『交通学研究』2001年研究年報をご参照下さい。

2.小冊子『日本交通学会60年の歩み』の刊行

 学会の歴史経過を示す記録誌として、先輩諸氏が苦心して作成された『50年の歩み』の一部の資料を活用し、前会長である増井先生による詳細な回顧記録、廣岡先生に対する50周年を記念してなされたインタビューの記録に加え、これに新たに、創立時の経過を語る『研究年報』に掲載された座談会の記録を収録した『日本交通学会60年の歩み』を刊行しました。

 詳細は、日本交通学会60周年記念小冊子をご参照下さい。

 

日本交通学会創立60周年記念小冊子